ボクんちの屋根裏部屋には、おばけが住んでるんだって。昔ママがおじいちゃんに叱られて屋根裏部屋にかくれた時に友達になったんだって。ママはボクが悪いことをしたらおばけに叱ってもらうよ、っていつも言ってる。でも、ボクはもう大きいからホントはおばけなんていない、って知ってるよ。ママが見たおばけだって、夢の中で見たにきまってるんだ。
でも、お化けってどんなんだろう。まっしろで、足がなくて、大きくて、目が三つあって、ボクなんて食べられちゃうのかなぁ。
ホントにお化けがでてきたらどうしよう。ふわふわしてるから捕まえるのは無理かなぁ。扇風機で吹き飛ばしちゃおうかなぁ。それとも、冷蔵庫に閉じこめてカチカチに凍らしちゃおうかな。冷蔵庫にアイスを置いておいたら、お化けはきっと冷蔵庫に入るぞ。うん、いい考えだ。これで怖くないや。
今日ボクはケンカをした。ケンちゃんがボクのお菓子を取ったんだ。返してって言ったけどケンちゃんは返してくれなかった。頭にきたからボクはケンちゃんを突き飛ばしたんだ。ケンちゃんは泣いちゃった。
ママは怒ってボクを屋根裏部屋で反省しなさいって言った。お化けに食べられちゃいなさいって。ボクは悪くないのに。ボクはお化けなんてちっとも怖くないし、お化けなんていないに決まってるのに。ママなんて大っ嫌いだ。・・・いろいろ考えてたら眠っちゃった。
「コツコツ」、誰かがボクの頭に触ってる。ネズミかな。暗いからよく見えない。なんか小さい白いボールのよう。ヌッ。「きゃー」。ボールから手がのびてきた。
よく見るとボールに小さい目がついてる。「君、だーれ」って聞いてみた。「お化け」。「えー」ビックリした。だってボクが思っていたのと全然違うんだもの。全然怖くない。「君、怒ると怖い?」変なこときいちゃった。「怒ったことないから分かんない」。可愛い声でちゃんと答えてくれた。二人で大笑いしちゃった。お化けとボクはすぐに仲良しになった。だってとっても可愛いんだ。
なんかお腹がすいてきた。「お腹空いたね。お菓子食べる?」お化けに聞いてみた。「外へは出られないの。」、「そうなんだ。それじゃあ、ボクが持ってきてあげる。」
ボクは台所に行った。こっそりと、音を立てないように行ったんだけど、ママに見つかっちゃった。
「こらっ、何してるの!」ママが怒った。「お化けとお菓子を食べるんだ。」ママが信じるわけないと思ったけどつい言っちゃった。「ふーん。お化けなんていないんじゃなかったの。」やっぱり信じてくれない。「屋根裏にいるんだよぉ。」信じたのかどうかは分からないけど、ママはお菓子をくれた。
屋根裏部屋でお化けと一緒にお菓子を食べたよ。とっても美味しかった。
「ボクね。ママに叱られたの。」お化けが言った。「反省しなさいって、ここに入れられたの。」なんかボクと似てる。「ふーん。ボクと同なじだ。」お化けがこっちをジッと見た。「ボクは悪くないのに。ゴンちゃんが。」ボクも全部しゃべっちゃった。「一緒だねぇ。」、「一緒だねぇ。」ふたりで大笑いした。なんだかとっても楽しかった。
空から女の人の声が聞こえてきた。「ご飯よぉ。」とっても優しい声だ。「あっ、ママだ。」お化けはとってもうれしそう。・・・「帰らなきゃ。」「良かったね。」でも、ちょっと悲しそう。「ママのこと好き?」ボクもちょっと悲しくなった。「だーいすき。」なんかうれしくなった。「ボクも。」「また遊ぼうね。」「うん。また遊ぼうね。」「バイバーイ。」お化けはお空に帰っていった。
「ご飯よぉ。」ママの声だ。「はーいママ。だいすきー。」「どうしたのぉ。どうもありがとう。」